わからないものと笑い・新しい言葉 Unfamiliar Things and Jokes – New Language

「第14回群馬青年ビエンナーレ」(2019)展示風景、群馬県立近代美術館、群馬
Installation view, 2019, The Museum of Modern Art, Gunma, Gunma

この作品では、エチオピア出身のラップが好きな青年と伝統的な詩の教養を持つ男性が複数の文化や言葉を使う日常で感じることについて語り、言葉そのものや音の面白さを見つけ、コミュニティに関係のある音楽制作者とともに音作りの実践を行った。

In this project, I worked with my neighbours Ethiopians as a rapper and a lyrics writer to make a rap music about their lives in Japan. By making lyrics of two languages, the different cultures in the area and the generation have been mixed and showed possibility of new sound. Also I invited the local musicians to advice or practice and perform together.

作家が住む葛飾区には、東京にいるエチオピア出身者の半数が集住している。彼らの母語アムハラ語は、独特なゲエズ文字で表され、4000年の歴史を持つと言われる。アフリカの言語は、他地域にはない舌打ち音や破裂音(アムハラ語では破擦音や放出音)などが子音として使われ、それ自体が音楽的な面白さを持っている。また、男性名詞と女性名詞があり、語る相手によって目的語や動詞など単語の語尾が変化する精緻なシステムを持つ。

言語の音やどんなものが単語となるかはコミュニティの特徴を反映している。他言語に触れると、相手の文化を知るとともに、自分の話す言語とその社会をより相対的に考えることになる。言語を行ったり来たりして遊びながら、自分たちの日々を表現することで、多文化共生を深めることができる。

約2年間の葛飾区を拠点としたエチオピアコミュニティとの関わりから、日本における多文化共生をテーマに、社会の変化の可能性や政治と制度がもつ境界について考察したインスタレーション。